玄善允の在日二世物語ー在日、大阪、済州そして・・・ー

済州出身の両親の次男として大阪で生まれ育った在日二世の呟き

2022-01-01から1年間の記事一覧

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の10

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の10 第十章 日の丸 1)隣組の順繰りの班長 2)日本人との初めての共同生活 3)薄汚れた<日の丸>、或いは、得意の独り相撲 1) 隣組の順繰りの班長 マサが中学に入った年の4月に、隣組(町…

『金時鐘とは何者か』3 第二部 金時鐘「私の出会った人々」

『金時鐘とは何者か』3 第二部 金時鐘「私の出会った人々」 第七章 「私の出会った人々」の概要 金時鐘はエッセイ「私の出会った人々」において、人生で出会った様々な人々のことを回想している。そしてその中で、まだ普通学校(小学校に相当)時代に、詩作…

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の9,第九章 世界の再分割(パンチョッパリ)

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の9せかいの 第九章 世界の再分割 1)井戸の中の蛙の夏 2)チョーセンとパンチョッパリ(半日本人)とウェノム(日本野郎)の三角関係 第九章 世界の再分割(パンチョッパリ) 1) 井の中の…

連作エッセイ『金時鐘とは何者か』2(第一部 金時鐘の年譜)

『金時鐘とは何者か』2 本文 第一部 金時鐘の年譜 第一章 はじめにー在日の物書きの年譜 第二章 『済州北初等学校同窓会誌』所収の卒業生名簿の写真撮影の経緯 第三章 『同窓会誌』の卒業生名簿上の金時鐘と思しき人物 第四章 野口豊子作)年譜における金時…

連作エッセイ『金時鐘とは何者か』(仮題)1、ブログアップにあたって

連作『金時鐘とは何者か』(仮題)の1,ブログアップにあたって 僕は昨年、若かりし頃からの半世紀にも及ぶ懸案に、ようやく一応のケリをつけた。金時鐘の散文テクスト、とりわけ僕が<自分語り、在日語り>と一括・命名した金時鐘のテクスト群に対する疑義…

玄善允の成長小説もどき3部作の第二部「ちっちゃい兄ちゃん」の8

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の8 第八章 神話の増幅―因果のもつれあい 第八章 神話の増幅―因果のもつれ合い ところで、あれほど怒り狂っていた黒鬼が和解に応じたのには、もちろん、いろいろと理由があった。ようやく出所し…

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん」の7

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の7 第七章 守護神の交替 1)最大の疫病神だったコケカキーキー 2)兄ちゃんの置き土産 第七章 守護神の交替 1)最大の疫病神だったコケカキーキー 庇護者のキンタマを失ったチビには当然、…

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん」の6

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の6 第六章 出会いと別れの2―地域の地殻変動― 1)地域の地殻変動と新住民 2)断トツの<だらしなさ> 3)姿を消した人々 4)もう一つの別れの儀式 第六章 出会いと別れの2―「世界」の地殻変…

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の5

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の5 第五章 出会いと別れの1―内面の誕生 1)勘定日のトンチャン宴会 2)送別会 3)誇らしい錯覚と後ろめたさ 第五章 出会いと別れの1-内面の誕生― 1)勘定日(カンジョウビ)のトンチャン…

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇ーの(6)

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(6) 目次 散策コース1―海辺を西に向かって 散策コース2-海辺を東に向かって 散策コース3―山歩き 本文 1)散策コース1―海辺を西に向かって 前回までしつこく話題にしてきたジェームス山の幹線スロープ、そ…

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の4(第四章)

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の4(第四章) 第四章 再びの冒険 1)挽回を期しての再挑戦 2)糞垂れのおまけまでついた再びの敗北 第四章 再びの冒険 1)失敗の挽回を期した再挑戦 夢の冒険の失敗を挽回できそうな機会が…

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん」の3(第三章)

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の3(第三章) 第三章 冒険 1)魔法使い 2)夢の冒険の敢行 3)越境の冒険の失敗 第三章 冒険 1)魔法使い チビたちがこの界隈の子供たちの世界の果てとも言える大河を越える冒険を企てたの…

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の2(第二章)

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』の2(第二章) 第二章 中途半端な昇格 1)誕生 2)妹の名前 1)誕生 ところで、この物語の第一部では、幼いながらも主人公の役割を務めていたチビなのだが、その間にすっかり大きくなった。…

玄善允の成長小説もど三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん」の1(前置きと目次と第一章、改訂版)

玄善允の成長小説もどき三部作の第二部『ちっちゃい兄ちゃん』のブログアップに際して(全体の目次と第一章を含む、改訂版) 既にこのブログの、玄善允小説もどき三部作の第一部『ハマニ』のアップに際して、その「もどき」のアップに関する事情を相当に詳し…

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(5)の2

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(5)の2 9.ジェームス山のコンセプトと旧三洋電機、そして旧三洋電機と我が家の因縁 2)三洋電機と我が家の因縁 我が家の<主人筋>だった三洋電機 大阪の在日の弱電関係の下請けにとってのヒーローだった松…

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(5)の1

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(5)の1 9.ジェームス山のコンセプトと旧三洋電機、そして旧三洋電機と我が家の因縁 1) 企業家一族の資産継承管理システム ジェームス山についての<僕の物語>のおさらい <塩屋土地>という不動産会社 <…

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇ーの(4)

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(4) 目次 8.ジェームス山頂から海までの幹線スロープ 1) 幹線スロープ 2) 左沿道―外国人住宅(地)、カントリークラブ、そして森林帯 3)右沿道―旧三洋電機研修センター、井植記念館、そして森林帯 4) …

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(3)

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(3) 目次 7.もう一つの洋館―ジェームス邸とジェームス山 1)ジェームス邸-高級レストランと結婚式場 2)ジェームス山ブランドの本拠としての<外国人住宅(地)>-英語による禁止命令と(特定外国人)の特…

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(2)

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(2)目次6.地域の玄関口の駅前商店街-海辺の谷底に位置する集落の伝統と、その外郭地の開放的な雑種文化とのコラボ―地域の玄関口-海辺の谷底に位置する商店街廃れそうで廃れない集落商店街の縁の下の力持ち我…

済州の歴史と生活文化のフィールドワークの資料のブログアップに際して4-4(完)

「済州の歴史と生活文化のフィールドワーク」に関する資料や文章の公開4―4 4.最終日の街歩き(9月8日) Tモーテルのメンバーたちも誘おうと立ち寄ったところ、たまたまご主人のJSさんもいらしたので一緒に散策することにしました。有名な観光地である…

余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(1)

余生の三題噺もどき1ーウォーキング篇 余生の三題噺もどき1-ウォーキング篇-の(1) 目次 1.前振り―(ウォーキング、猫の餌やり、映画『仕立屋の恋』の三題噺) 2.終の棲家―転居 3.ウォーキングの前史(貧乏根性の系譜) 4.ブレイクダウンーサ…

済州の歴史と生活文化のフィールドワークの資料のブログアップに際して4-3

「済州の歴史と生活文化のフィールドワーク」に関する資料や文章の公開4―3 その三:心身のひどい失調からの半復活と廃墟の復活― またしても、それも思いがけずの、それもとんでもなく長い脱線でした。 我が一家にとって最大の難問であった済州の遺産問題が…

済州の歴史と生活文化のフィールドワークの資料のブログアップに際して4-2

「済州の歴史と生活文化のフィールドワーク」に関する資料や文章の公開4―2 3-2 FWの1-済州北西端の高山(コサン)まで― そんなわけで予定より少しは遅れましたが、全員がバスに乗って西に向かって出発することができました。(以下の〇番号は訪問先の順…

済州の歴史と生活文化のフィールドワークの資料のブログアップに際して4-1

「済州の歴史と生活文化のフィールドワーク」に関する資料や文章の公開4―1 第2回済州の歴史と生活文化のフィールドワーク(以下ではFW)の復習5拡散可能版 世話人 SH 1.はじめに 2回目の済州FWを、現時点で自分なりに整理してみます。但し、今回に参加…

済州の歴史と生活文化のフィールドワークの資料のブログアップに際して3

「済州の歴史と生活文化のフィールドワーク」に関する資料や文章の公開3 「第一回 済州の歴史と生活文化のフィールドワーク」を終えて 玄 善允 年度末ぎりぎりの3月31日の夜遅くに、済州島から帰ってきた。毎度のことながら、心身共にへとへとで、その翌…

済州の歴史と生活文化のフィールドワーク関連資料のブログアップ1

済州の歴史と生活文化のフィールドワーク関連の資料のブログアップに際して 今後、数回に分けて、2019年3月の第1回、2019年8月の第2回、そして2020年3月には最後の第3回を予定していながらも、コロナ禍の状況悪化によって、直前になって中心せざるをえなか…

済州の歴史と生活文化のフィールドワーク関連資料のブログアップ2

済州の歴史と生活文化のフィールドワークに関する資料や文章の公開2 第一回済州生活文化FWの顛末覚書 1. 企画の契機 ① 2006年済州の日本軍軍事施設FWに誘われた参加したこと。済州大学と青丘文庫(強制連行関連の会)との共催という好条件もあって、会議…

『日帝の強制動員と仁川陸軍造兵廠の人々』解題翻訳6

『日帝の強制動員と仁川陸軍造兵廠の人々』解題翻訳6 2) 脱出を通じた労務者の抵抗 造兵廠に動員された人びとは、自分の意志でそこから出ていくことなど許されなかった。期間限定で学校から団体で働きに来ていた学生たちを除けば、造兵廠に動員された人び…

『日帝の強制動員と仁川陸軍造兵廠の人々』解題5

『日帝の強制動員と仁川陸軍造兵廠の人々』解題の翻訳5 訳文に入るに先立って。 拙い翻訳もどきにお付き合い、ありがとうございます。 原著者の李商衣さんが、この翻訳のブログアップをすごく喜んでくださっています。 もし、なにかいい話があれば、彼女に…

『日帝の強制動員と仁川陸軍造兵廠の人々』の翻訳4

『日帝の強制動員と仁川陸軍造兵廠の人々』の翻訳4 2)動員労務者の日常と労働環境 仁川造兵廠の工場で働く人々はみんな同じような服を着ていた。軍服に似た作業服だった。帽子は「せんとうぼう」と呼ばれる戦闘帽で、靴はバスケット靴のような作業靴だっ…